グランドセイコーから、9Fクオーツ初のGMTモデル登場

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(写真:SBGN001(特別仕様の数量限定モデル), グランドセイコーウェブサイトより引用)

<グランドセイコー>究極のクオーツムーブメント「キャリバー9F」より、初のGMT モデルが登場

数量限定モデル(1機種)は2018年10月から、通常モデル2機種は2019年1月から発売されるとのこと。

以下は、数量限定モデルのSBGN001(世界限定800本)。

通常のグランドセイコー9Fクオーツが年差±10秒であるのに対して、これは年差±5秒という超高精度。文字盤色はチャコールグレーで、6時位置に年差±5秒を示す星印がありますね。価格は、370,000 円+税。

以下の2つ(SBGN003とSBGN005)は、通常モデル。

文字盤の色は黒(SBGN003)と紺?(SBGN005)。価格はいずれも、330,000 円+税。数量限定モデルと比べると、マイナス4万円。数量限定モデルから、少し遅れて2019年1月に発売される予定。

どれも、これまでの地味なグランドセイコークオーツモデルとは一線を画すデザインで、スポーティでカッコいいと思います。一般的なグランドセイコーのイメージとはちょっと異なるかもしれませんけど。

自分で買うなら青色系の文字盤の時計はあまり持っていないのでSBGN005でしょうか。黒のSBGN003のように、カレンダーの地色も文字盤色に合せて同じにしてあるともっと良いのですが。

海外出張には、GMT機能が便利

GMT針(24時針)が搭載された腕時計が好きで、セイコーのアルピニスト(キャリバー8F56)とランドマスター(キャリバー5M65)の2つを所有しています。サラリーマン時代は海外出張が多かったので、滞在地と日本の時刻を同時に表示できるGMT機能はすごく便利でした。

日本にいるときには、時針とGMT針のどちらも日本時刻に合わせて使用しますが、海外に出張中は、時針だけを現地時刻に合せて、GMT針は日本時刻のままにしておきます。セイコーでは、「カレンダー連動時差修正機能」と呼んでいますが、秒針や分針、GMT針を止めることなく、時針だけを1時間単位で修正出来るんですね。時針の時差修正後は、一目で現地時刻(時針)と日本時刻(GMT針)が確認できます。

GMT針は24時間表示なので、日本時刻の昼夜の区別もOK。午前と午後を間違えて、終業後の誰もいない日本のオフィスに電話したり、就寝後の日本の家族に電話して叩き起こすということも避けられます。

他に海外主要都市の時刻を表示できるワールドタイム機能付のデジタルウォッチも持ってはいますが、異なるタイムゾーンの時刻を確認しようとすると、いちいちボタン操作が必要になり、これが結構面倒。パッと一目で確認できるGMT針の方がずっとイイですね。

インド、ネパールへの出張・旅行には使えない?

ただ、世界には日本との時差が1時間単位ではない国もあるんですね。例えば、インドは、-3時間30分、ネパールは、-3時間15分というなんとも半端な時差。従って、これらの国々で使う場合、GMT機能では日本との時差を正確に反映することができません。

そういう場合は、文字盤内にもう一つ小時計を持つアストロンの8X Series Dual-Timeのようなモデルが良いのでしょう。ただ、GMT針のスッキリした感じに比べると、文字盤がゴチャゴチャしてしまうのが難点。それはそれで精密計器みたいでカッコいいとも言えますが。

私の場合は、半端な時差の国々に行く際は、ワールドタイム機能付のデジタルウォッチを持って行っていました。まあ、それらの国々は治安上やや問題があるケースも多いので、グランドセイコーやアストロンのようなキラキラ光る高額な腕時計ではなく、いかにも安そうな(実際に安価な)デジタルウォッチを着用している方が無難かもしれません。

9Fクオーツ初のGMTモデル

腕時計愛好家の方は御承知の通り、グランドセイコーには、ムーブメントが3種類(クオーツ、機械式、スプリングドライブ)あります。このうち、機械式とスプリングドライブにはGMT機能を持ったムーブメントがありますが、クオーツではこのモデルが初めてとなります。

出張中の忙しい時にイチイチ腕時計に構っていられない、でもそれなりに見栄えがして人前に出ても恥ずかしくないモノを着けたい、海外で奮闘する日本人として日本を代表する国産モデルを使いたいという場合には、手間いらずで高精度、しかもそれなりのステータス性があるグランドセイコークオーツGMTは重宝しそうです。

電池寿命3年は、長期の海外出張には弱点か?

ただ、電池寿命が来たら完全に停止してしまって交換するまでは一切動かないというのが、電池交換式クオーツの宿命。しかも、9Fクオーツの電池寿命は3年しかないので、長期間の出張・旅行の際には海外滞在中に寿命を迎えるリスクも高くなってきます。それに寿命3年はあくまでも目安。使用条件やムーブメントの状態次第で電池寿命は前後するでしょうから、2年くらい経過したらいつでも止まる可能性があると考えておいた方が安全かもしれませんね。

そう考えると、個人的には海外出張用や海外旅行用として9Fクオーツを使用するのはちょっと躊躇してしまいますね。その点、キネティックの5M65なら、充電池は徐々に劣化していくとはいうもののとりあえず使っている限りは完全に止まることは避けられますし、8F56ならば電池寿命が10年間と長いので、9Fに比べれば海外滞在中の電池切れリスクは大幅に低減できるでしょう。残念ながら、8F56も5M65も現行モデルはありませんが。

ということで、海外用としては、今所有しているアルピニスト(8F56)とランドマスター(5M65)、それに加えてワールドタイム機能付の安価なデジタルウォッチで十分というのが個人的結論です。ただ、9FクオーツGMTのデザインは気に入ったので、国内用として購入しても良いかな?という気もしていますが、気軽に買うにはセミリタイアの身にはちょっと値段が高いのも事実。

グランドセイコー以外のセイコー製GMTモデル

以前はセイコーにも、8F56や5M65など(グランドセイコーに比べれば)安価なGMT機能搭載モデルがいろいろあったのですが、最近は数が少なくなってしまいました。

現在、国内で正規に販売しているグランドセイコー以外のセイコー製GMT腕時計としては、ProspexシリーズのランドマスターSBDB015(キャリバー 5R66、スプリングドライブ)やランドマスターSBEJ001(キャリバー 6R64、機械式)があります。特に三浦雄一郎氏が監修したというSBDB015はスプリングドライブというのも大きな魅力。

ただ、どちらのランドマスターもリュウズが12時位置にあるというのは個人的には大きなマイナスポイント。懐中時計ならともかく、大きな違和感を感じてしまいます。カッコ悪い。通常の3時位置のリュウズがどうしても登山中に邪魔になるというのなら、ダイバー等と同様にセイコーの伝統に則って4時位置にすれば良かったのではないかと思います。

なお、500本限定のランドマスター25周年記念SBEJ003は、既にカタログ落ちしてセイコーのウェブサイトからは消えていますが、まだAmazonなどには在庫があるようです(2018.10.01現在)。検討されている方は、お早めに。

ステータス性やデザインを気にしなければ、海外でのタフな使用にも耐えるという意味では、グランドセイコーよりランドマスターの方が向いているかもしれません。特にSBEJ001とSBEJ003は20気圧防水なので、防水性も充分以上でしょう。

しかし、10年電池、パーペチュアルカレンダー、GMT機能、そして年差±20秒という高性能な8F56搭載モデルの販売が終了してしまい、後継モデルも出ていないのは残念。ヤフオクやebayなどで10年以上前の中古品に新品販売時を大いに上回るプレミア価格がついているのを見ても、まだまだ需要はあると思うのですが。

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